ヤンババ! ばばぁ強盗団がやって来る!/JETZT ODER NIE - ZEIT IST GELD

Director:ラース・バケル
Cast:ガードラン・オクラス、エリザベス・シュレー、クリスタル・ペーター、マーティン・セメルロッジ、コリーナ・ハーフォウチ、ティル・シュヴァイガー
3人組のばあさん達の夢は、豪華客船クルーズを楽しむ事。年金だけでは老い先短いのに、旅費が貯まらない。なので、少しでもお金を浮かす為に、万引きをしてせっせとお金を貯めていた。ある日、努力の甲斐あってなんとかお金が貯まったので、銀行に振込みに行ったのだが、悪い事に銀行強盗に出くわしてしまいお金を奪われてしまった・・・。


邦題から想像する事が出来る様な、軽いノリのコメディじゃなかったです。コメディなんだけど、全体に漂うのは誰にでも必ず待ち構えている〝最後の時〟。それに対するそれぞれのとらえ方は悲壮感であったり諦めであったり恐怖であったりして、それが根底にあってのコメディだから、馬鹿笑い出来る映画じゃないです。こんな煽った邦題にして何を考えてるんだろう。でも、実際に私も邦題に魅力を感じてレンタルした口なので、大きな声では言えないですが。
ストーリーは、ばあさん達がいかにしてお金を稼ぐかって事です。彼女達はよぼよぼの年寄りなんだけど、〝年寄り〟である事を武器にはしないんです。連携プレーで万引きをやってのけるぐらいだから、気持ちも若いんでしょうね。その辺りは観ていて面白いですよ。死に対する悲壮感はひしひしと伝わって来ますが、不思議な事に年寄りである事の絶望感はないんですよね。もちろん、それを武器になんてしていない事も良いです。しかし、あの歳でベッドに入る相手がいるんだから凄いですよ。いくつになっても恋が出来るのは素晴らしい。色ボケは困りますが。
この映画の素晴らしさは、なんと言っても〝最後の時〟に対して希望が持てる事だと思います。それは、悟りや諦めじゃないんですよ。あるがままを受け入れる事により、希望を見出す事が出来る。今の私には無理だけど、いつかそんな風に思えればいいなって思いました。

2006/04/11

ヤンババ! ばばぁ強盗団がやって来る! [DVD]