リチャード・ニクソン暗殺を企てた男/THE ASSASSINATION OF RICHARD NIXON

Director:ニルス・ミュラー
Cast:ショーン・ペンナオミ・ワッツドン・チードル、ジャック・トンプソン、マイケル・ウィンコット、ミケルティ・ウィリアムソン、エイプリル・グレイス、リリー・ナイト、ブラッド・ヘンケ
サムは別居した妻子とよりを戻す為に、セールスマンとして働いていた。しかし成績は伸びず、詐欺の様な会社の方針が気に食わなかった。誠実さを大切にしたいサムには、ウォーターゲート事件ニクソン大統領はアメリカを不誠実で堕落させる象徴でしかなく、遂に彼の暗殺を決意したのだった・・・。

 
さすが、性格俳優ショーン・ペンだけあって、彼の精神が崩壊していく様は見応えがありました。彼を観ているだけで、思いや願いが伝わって来るんですよね。喋らなくても表情だけで、伝える事が出来る。俳優はそうあるべきなんでしょうけど、やっぱり凄いですよ。
ストーリーは実話を基にしたとの事でしたが、私はその実話を知りませんでした。74年の事なんで、知らなくって当然かもしれませんが。ニクソンとタイトルにあるので、政治っぽい話しかと思っていましたが、そうでもなかったです。ブラックパンサー党の話が出て来ますが、差別問題やウォーターゲート事件とかがこの映画の核心ではなく、サムの内面の問題を浮き彫りにする手段として使われてるだけってイメージですかね。2大政党がわからなくったて、楽しめる映画です。その辺りは、最近流行の骨太社会は映画はとはちょっと違っているので、小難しい事はないですよ。ショーン・ペンの演技だけでも観る価値はあると思いました。
優しさってなんでしょうね。相手を思いやる事、慈しむ事、己を犠牲にする事。絶望のどん底にいる時に、人間は何処まで優しくなれるのだろうか。エゴや思い上がりと優しさの違いってなんだろう。私には答えが出せませんでした。

2006/05/18

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 [DVD]