マイ・ボディーガード/MAN ON FIRE

Director:トニー・スコット
Cast:デンゼル・ワシントンダコタ・ファニングクリストファー・ウォーケンラダ・ミッチェルマーク・アンソニージャンカルロ・ジャンニーニ、レイチェル・ティコティン、ミッキー・ローク
元CIAの特殊部隊員のジョン・クリーシーは長い間、対テロ部隊に所属して暗殺の仕事を続けて来たために生きる希望を失い酒びたりの毎日を送っていた。そんな中、部隊の先輩だったレイバーンからメキシコに住む実業家の娘ピタのボディーガードの仕事を斡旋される。

ダコタ・ファニングちゃん目当てで観に行った映画だったのですが、なかなか見応えがありましたよ。原作を読んだ事はないので内容はあまり知らなかったのですけど、邦タイトルからしてありがちな映画なんだろうなと思っていたので得した気分です。
心に傷持つジョン・クリーシーを演じるのはオスカー俳優デンゼル・ワシントン。この人って笑うと可愛い顔になるのですね。おっさんに可愛いと言うのもなんですが。「トレーニングデイ」での印象が強すぎて優しいイメージはなかったのですがそんな事ない。
で、彼が演じるジョンですが心に傷を負っているのは分かるのだけれども、その辺りの理由が明確にされていなかったのが不満。火傷の跡とか抽象的な映像でイメージはつかめるのだけれどもいまひとつ。それに、彼がピタに心を開いて行く課程も漠然としている感じ。もったいないですよ。
でも、ジョンとピタのやり取りは微笑ましく観れました。彼女の父親はろくでなしだし、母親もあまり子供にはかまってなかったので、なんとかジョンと友達になりたいと願うピタのいじらしさに胸が熱くなりました。
ただ、ピタの水着シーンがやたら強調されていた様な気がしました。そういう趣味の方々に大いに受けそうな映像。ジョンがロリコンと勘違いされそうなカメラアングルだわ。
ピタが誘拐されるまでの前半はほのぼのしていてゆる〜い感じ。それに対して後半は熱いジョンの復讐劇にうって変わります。生きる希望だったピタを誘拐され殺されたジョンは復讐の鬼と化す。ピタは自分の娘でもないのに彼の執念はすごい。ここからの彼の迫力ある演技に圧倒されました。前半とは打って変わってテンポよく進んで行きます。
〝神は俺達を許してくれるだろうか?〟
許されない事が分かっているから己の命が惜しくない。失うものを持っていない人間は強い。その上、生に対する執着が全くないのだからそれこそ最強。
希望のあるラストを期待していた私には辛かったですが、ジョンが殺されなければそれこそゆる〜いままで終わってしまう。だから、しょうがない事なのでしょうね。それでも、ジョンには生きてもらいたかったです。
2005/01/15
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