バットマン/BATMAN

Director:ティム・バートン
Cast:マイケル・キートンジャック・ニコルソンキム・ベイシンガージャック・パランスビリー・ディー・ウィリアムズ、パット・ヒングル、ロバート・ウール、マイケル・ガフ、ジェリー・ホール
DCコミックスのヒーローの映画化。ゴッサム・シティに君臨する犯罪組織のボス・ジョーカーにバットマンが戦いを挑む。

ゴッサム・シティの雰囲気って言ったら、やっぱりティム・バートン監督が作り上げたこのダークで空虚な感じがピッタリです。原作とは違ってるかもしれないですが(読んだ事がないので)、私にとってのバットマンはこの作品のイメージなのです。記念すべき第一作でバットマンを演じたのはマイケル・キートン。彼ってそんなに男前じゃないのですが、マスクを被ると良い男に見えるのは不思議です。単に顔が隠れた所為でしょうか?
この作品での主役はバットマンではなく、ジャック・ニコルソン演じる犯罪組織のボスであるジョーカー。
 
もう、この人の演技は凄いです。ダークな映像の中で、唯一派手な衣装を身にまとい薬品によって笑った顔になってしまった悪人を絶妙の演技で作り上げています。衣装や特殊メイクも一役買ってはいるのでしょうけれど、他の俳優だったらこうは仕上がらなかった筈ですよ。彼の行動はコミカルに見えるが裏には狂気が渦巻いていて、笑った顔になってしまった己を哀れみながらも、その憎しみから復讐する事で精神のバランスを保っている。そんな複雑な役をあんなインパクトで演じたジャック・ニコルソンは素晴らしい。時々、嬉々として演じている様に見えるのは気のせいでしょうか。ブルース・ウェインの心の闇よりも、私にとってはジョーカーの心の闇の方が気になって仕方なかったですよ。「ドライビング Miss デイジー」のモーガン・フリーマンさえいなければ、ゴールデン・グローブ賞は確実だっただろうに。
この作品はストーリーよりも雰囲気を楽しむものです。ストーリーには期待しない方が良いかも。

2005/06/22

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