NOTHING ナッシング/NOTHING

Director:ヴィンチェンゾ・ナタリ
Cast:デヴィッド・ヒューレットアンドリュー・ミラー、ゴードン・ピンセント、マリ=ジョゼ・クローズ、アンドリュー・ロウリー
「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリ監督が放つ不条理コメディ。舞台はカナダのトロント。協調性がない自己中心男デイブと、心配性で引きこもりのアンドリューは子供の頃からの親友だった。デイブはアンドリューの家で暮らし、お互いが助け合って生活していたのだが、ある日身に覚えの無いトラブルに巻き込まれてしまう・・・。


CUBE」の監督なので謎のままで終わってしまうミステリーなのかと思っていたのですが、不条理コメディでした。全体的に〝謎〟な映画でしたが。私は不条理コメディが苦手なのですが、この作品は面白かったですよ。くすっと笑えるシーンが満載でした。ただし、一般受けはしないと思います。だって不条理ですから。不条理なんだけど、筋が通ってるから面白いんですけどね。
しかし、上映時間が長過ぎるのが難点です。89分と普通の映画に比べれば短い方なのですが、それでも長いと思います。せめて60分ぐらいに納める事が出来れば、だれる事なく終わるんじゃないかな。引っ張り過ぎなんですよ。途中は中だるみするんですよね。特殊な映画なので仕方ない事なのかも知れないですが、やっぱり無駄に長いです。
で、この作品の素晴らしさは発想にあると思います。そして、それを映像化した事も斬新ですよね。〝無の世界〟の状態をこんな映像で表現してしまう事に驚きましたよ。手抜きだと思われるかもしれないですが、私はあの表現には納得しました。アイデアの勝利です。
生きて行く上で、本当に必要な物ってなんでしょうね?何が必要で何が不必要なのか。そんな事を考えさせられる映画でした。

2006/04/04

ナッシング [DVD]