イン・ザ・カット/IN THE CUT

Director:ジェーン・カンピオン
Cast:メグ・ライアンマーク・ラファロジェニファー・ジェイソン・リーケヴィン・ベーコン、ニック・ダミチ、シャーリーフ・パグ
大学で文学を教えるフラニーの住むアパートの近隣で、猟奇的な殺人事件が発生する。彼女が犯人だと思われる人物を偶然見かけていた為に、刑事マロイがフラニーのもとを訪れる。その猟奇的事件がきっかけで彼女の生活は変わってしまう。

〝あのメグ・ライアンが新境地開拓〟が売りだったこの作品。確かに以前のロマンティックコメディのメグとは全く違っていました。脱いでいるのはもちろんの事、あんな事やこんな事。男の人は嬉しいのではないかと。彼らは映画が終わった後にあんな事やこんな事。
全く笑顔がない彼女を観るのは初めての様な気がします。しかし私が驚いたのはメグがメグに見えないって事。だって顔が全く違うんですよ。以前より痩せてるって事もあるのでしょうが別人ですよ。
ストーリーはどうなんでしょう。なんだかひたすら暗い映画を一方的に見せられたって感じです。犯人探しがこの映画の根幹なのでしょうが、マーク・ラファロ演じるマロイ刑事を怪しく見せすぎ。あまりにも怪しくみせすぎなので、お前じゃないってのがまるわかり。怪しくみせておいて、最後にやっぱり彼でしたってオチなのだろうかと思ったりもしましたが、それをするにはかなり物語をいじらなければならないし、こちらを納得させる物語じゃないといけない。そんな事をこの作品に期待できるわけもない
だいたいメグ演じるフラニーのキャラからして謎。良い意味での謎ではなく全く理解出来ないって事。あの映画を観ただけで、フラニーが人間関係や恋愛に失望していて他人には心を許さず距離を置いて生きるようになったキャラクターってのは分かるわけがないですよ。そんな女性が色々な男と関係を持ちますか?教え子にまで手を出す位ですよ。これは未遂に終わりますけどね。
もったいないのはフラニーの妹役ジェニファー・ジェイソン・リー。演技力ではメグよりも絶対に彼女の方が上ですよ。それなのにあんまり出て来ない。彼女のキャラもなんだか訳がわからない。雰囲気的にジェニファー・ジェイソン・リーの方がフラニー役には適役と思いますね。
結局、誰もがメグ・ライアンには深い人間の内面を捉えた映画は期待していないのですよ。私もそうですけど。年齢的にもロマコメに出演するのはキツくなっているのは分かりますけど、もうちょっと出演する作品を選んだ方がよいのではないかと思います。余計なお世話でしょうけどね。
2005/02/05
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