4人の食卓/THE UNINVITED

Director:イ・スヨン
Cast:チョン・ジヒョンパク・シニャン、ユソン ヒウン、キム・ヨジン、チョン・ウク
幼少の頃の記憶が全くないジョンウォン。ある日、最終電車で眠っている姉妹を目撃する。翌日のニュースでその姉妹が毒殺されていた事を知ってから、彼は自宅の食卓でその姉妹が座っている姿を見るようになる。その現象に悩まされている時に、自分と同じく座っている姉妹の姿を見る事が出来る女性ヨンと出会う。彼女は過去を見通す力を持っており、ジョンウォンはヨンの助けを借りて幼少の頃の記憶を呼び戻そうとする。

内容を知らないでレンタルしてしまった事を後悔してしまいました。知ってたらこの手の、おどろおどろしいサイコホラーは観ないのですが。全体的に暗く、抽象的な映像が多いので真剣に観ないと理解出来ないのではないかと思いました。監督は前後から読み取れると思っているのでしょうが、いまいち分からない。映像にこだわり過ぎた所為か説明が足りないだけなのか。確かに映像はシュールでした。暗いけれどもキレがある様な感じと言うかなんと言うか。ボキャブラリーが貧困ですいません。
そんなこんなで真剣に観ても私には理解出来ないシーンが結構ありました。特に分からないのがエレベーターでネコを抱っこした女性とヨンが乗り合わせるシーン。DVDの特典映像で監督がこのシーンの説明をしていましたけど、それにも関わらず良く分からない。何の意図があってあのシーンを入れたのでしょうかね。その後、その女性は飛び降り自殺をしてしまうのですがその布石だったのか?それにしては、そんな会話も交わされなかったですし。私にはただの奇妙な女性としか見えなかったです。エレベーターであんな女性とは2人きりになりたくはないですよ。
そしてなによりも、監督が女性なのが驚きでした。私の偏見ですけど、サイコホラーの様な映画を撮るのは男性に違いないと思っていましたので。それを踏まえると、人物描写にしてもジョンウォンよりヨンやジョンウォンの婚約者の女性陣の方がきっちりと描かれていた様に思われます。
この映画のテーマは生と死が要で、その上に更に憎悪、欲望、絶望がどっかりと人の心に棲んでいる様子を描いたものだと思いました。あらゆる人間のマイナス面が露見して、それをさらけ出された事で死を選ぶ者、それでも生きようとする者。封印された記憶はパンドラの箱と一緒で開けてはならないもの。自力では開けれないが、その箱を開けれる力がある者に出くわす事によりその力ある者にすがる己の弱さ。開けてしまった事によって傷付き、全てを失い、周囲の人間迄も巻き込んで不幸にしてしまう。そんな結果なんて望んでいなかったのに。切なく残酷なそんな映画でした。

2005/04/01

4人の食卓 [DVD]