モナリザ・スマイル/MONA LISA SMILE

Director:マイク・ニューウェル
Cast:ジュリア・ロバーツキルステン・ダンストジュリア・スタイルズマギー・ギレンホール、ジニファー・グッドウィン、ドミニク・ウェスト、ジュリエット・スティーヴンソン、マーシャ・ゲイ・ハーデン
保守的な名門女子大学にやってきた女性教師が、女性の自立と自由な精神を説き少しずつ大学に変化をもたらしていく姿を描いたヒューマン・ドラマ。

1950年代ってこんな感じだったのですね。あまりの事に驚きを通り越して感心してしまいました。この年代になっても、まだこんな状態だったなんて。学生結婚すると数週間は授業に出なくても良いって校則はありえね〜。わざわざ大学に迄通ってるのに習うのは裁縫や礼儀作法ですよ。お茶の出し方や立ち振る舞いなんか授業でおそわるんですね。そう言えば日本も嘗てはこんな事してましたよね。どこの国も同じなのでしょうか。裁縫なんて出来ないし、礼儀作法なんて殆ど知らない私には生きにくい世の中ですね。こんな時代に生まれなくって良かったわ。
世の中に必ずいるのが〝異端児〟と呼ばれる人間で、この映画ではジュリア・ロバーツ演じるキャサリンがその異端児。米国一保守的といわれる大学に来て女性の自立を促し、教育の可能性を教えるのだから風当たりの強い事。だいたい女学生にとって一番重要なのは、エリートの恋人から婚約指輪を貰う事だと言ってはばからない教師達しかいないのだから、そりゃあ総スカン食らってもしょうがない。現代とはあまりにも違いすぎる価値観に呆然とするばかりでした。
いかにキャサリンが学生達の価値観を変えていくのかってのが、この映画の重要なテーマに違いないのに、この当りの描写が微妙。実際問題としてはただの一教師がドラマティックに大学を改革するなんて相当の時間が必要だし、不可能に近い事じゃないですか。でも映画なんだから、もっと大げさにドラマティックに描いて欲しかったですね。現実を描いたって言われればそれまでだけど、なんだか盛り上がりにかける映画でした。
失意の中でキャサリンは大学を去って行くし、学生はキャサリンに好感を持つのだけれどもただそれだけ。優等生のベティだけは周りを敵にまわしても、女性の自立を夢見て生きて行こうと決意する。まあ、この当りの展開は予想がつきますよね。このベティを演じているのがキルステン・ダンスト。「スパイダーマン」ではあまり感じなかったのですが、この映画での彼女の顔はすごく陰険。キャサリンと対立してる時はともかく、旦那に向ける笑顔も陰険だし、ラストの顔も陰険。私は彼女を好きでも嫌いでもないのでフィルターを通して観てるとは思わないのですが、いつもどんな時もぶっちょう面で陰険に見えてしまうのですよ。何故でしょうね?潜在的に嫌いなのかな。今度、別の映画で試してみよう。

2005/04/05

モナリザ・スマイル [DVD]