笑の大学

Director:星護
Cast:役所広司稲垣吾郎
三谷幸喜の舞台劇を自らの脚本で映画化したコメディ。太平洋戦争前の喜劇作家と検閲官が台本を巡って攻防を繰り広げる中で、互いに親近感をおぼえる様を描いている。喜劇団〝笑いの大学〟の座付作家である椿一は、なんとか台本の〝笑い〟を上演する許可を貰おうと必死になるが、検閲官の向坂はなんとか〝笑い〟を排除しようと彼に無理難題をふっかける。


〝さるまた失敬!〟に大笑いをしてしまいました。何故に〝さるまた失敬!〟がこんなに面白いのか?普通に言ったら面白もなんともないのに、あのシチュエーションだから笑えるのですね。後日、友人にいかに面白かったかを言ったのですが「あんたの説明じゃわからん。何がそんなに面白いの?」と真顔で言われてしまいました。私の説明不足のせいですが。
〝さるまた〟を耳にしたのは久しぶり。亡くなった祖母が時々言ってたのを思い出しました。最近の若者は意味を知ってるのでしょうかね。それはさておき、この映画に出て来る〝笑い〟はどれもダジャレばかり。〝お肉のため〟や〝おくにちゃん〟なんか王道をいっています。(この辺は映画を観た人でないとわからないと思います。すいません。)それでも、笑えるのですよ。冷笑や軽い笑いじゃなく、お腹抱えて笑えるのです。少なくとも私はそうでした。喜劇って、必死で真剣に何かをしている人間を横から見て笑うもの。彼ら作家も検閲官も真剣。だから、それがダジャレでも笑える。
それに〝笑い〟だけではなく、この時代を背景にした人間の悲哀も描かれているのですが、押し付けがましくなく、この映画本来の〝笑い〟を損なっていないのはすごいですよ。対極を違和感なく受け入れさせてくます。
彼らの演技力もさる事ながら、それは素晴らしい脚本があった上での事。三谷幸喜って本当に才能豊かな人ですよね。

2005/04/16

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