トラフィック/TRAFFIC

Director:スティーヴン・ソダーバーグ
Cast:マイケル・ダグラスキャサリン・ゼタ・ジョーンズドン・チードルベニチオ・デル・トロルイス・ガスマンデニス・クエイド、スティーヴン・バウアー、ジェイコブ・ヴァーガス、エリカ・クリステンセン、クリフトン・コリンズ・Jr、ミゲル・ファーラー、エイミー・アーヴィング、トファー・グレイス、ベンジャミン・ブラット
メキシコとアメリカを結ぶ麻薬ルートを巡って、様々な人間模様を描いた作品。メキシコの麻薬捜査官ハビエールは、サラサール将軍の指令で麻薬カルテルの撲滅に協力する。アメリカ、オハイオでは新しい麻薬取締最高指令者に任命されたロバートは、麻薬摘発に力を注ぐ決意をする。アメリカ、サンディエゴで麻薬王が捕まった。その妻は夫を救う為にある行動に出る。

3つのストーリーが前後して進んで行くので、複雑な内容になっています。私は一度観ただけでは十分に理解出来なかったので、二度観ました。扱っている題材が〝麻薬〟なので、娯楽映画ではないですが退屈せずに観れましたよ。全体的にドキュメンタリー風で無駄のない映像は、私の心にダイレクトに伝わって来ました。
先ず麻薬捜査官ハビエールを演じるベニチオ・デル・トロ。あまり好きじゃなかったのですが、この映画では男臭さの魅力満載。麻薬撲滅なんて無駄だとわかっていながらも、あえてそれに挑む。眉間に皺を寄せた彼の表情がなんともたまらない。彼を前にしたらマイケル・ダグラスなんてかすんで見えます。
次に麻薬取締最高指令者ロバートを演じるマイケル・ダグラスですが、こんなものでしょうね。取り立てて魅力がある訳でもなし。きれい事を並べ立てている様にしか見えなかった。彼の娘を演じているのが当時18歳のエリカ・クリステンセン。ぽっちゃりとした体形の彼女。

お嬢様で誰もが羨む優等生。それは表の顔で実際は、その重圧に耐えかねて麻薬に手を染めているってありがちな設定なんだけど、そんな事はどうでもいいのです。数年後の彼女はこれ。

見違える程セクシーな女性になってます。羨ましい。
最後は、仲間に密告されて逮捕された麻薬王の嫁を演じるキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。最初はしおらしい彼女が、だんだんと本来の気が強くふてぶてしい嫁になって行く過程を観ていると、実生活でもこんな感じなんだろなと。逮捕された旦那より彼女の方が商売に向いているんじゃないかと思わずにはいられない。
純粋に麻薬撲滅を望み終わりのない戦いを続ける者、大切な物を守る為に麻薬に手を出す者、様々な人間の想いがぶつかり合い正義は脆くも崩れ去る。需要がある限り供給されるのは必然。摘発しても限がない。それでも、命がけで正義を信じる者がいる。そんな事を考えされられた作品でした。

2005/06/01

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