ミリオンダラー・ベイビー/MILLION DOLLAR BABY

Director:クリント・イーストウッド
Cast:クリント・イーストウッドヒラリー・スワンクモーガン・フリーマンアンソニー・マッキージェイ・バルチェル、マイク・コルター、ブライアン・オバーン、マーゴ・マーティンデイル、マイケル・ペーニャ、ベニート・マルティネス、ブルース・マックヴィッティ、ネッド・アイゼンバーグ、モーガンイーストウッド
クリント・イーストウッド監督によるヒューマン・ドラマ。アカデミー賞で作品賞、主演女優、助演男優、監督賞の4部門を受賞。ロサンジェルスでボクシングジムを経営するフランキー。彼の指導力は素晴らしいのだが、選手を大切にするあまり成功を望む優秀なボクサーは彼の元を去って行く。そんな中、31歳の女性マギーがフランキーの指導を望みジムに入門する。


やっと観に行って来ました。チケットは購入していたのですが、なんとなく観る気になれなくって放置してましたが、そろそろ上映も終わりそうだったので。女性ボクサーの話だって事だけしか知らなかったので、マギーが辿る運命に衝撃を受けました。ラストのフランキーが取った行動には賛否両論があるだろうけれども、私は賛成です。己は己の為に生きるべきであって、他人に生かされる人生は己の人生じゃないもの。相手が本当に必要としてる時に手を差し伸べる事が出来る勇気は崇高なものだと思う。でも、私にその勇気があるだろうか。
マギーを演じるのはヒラリー・スワンク。トレーニングをしただけあって、締まった体をしてました。驚くのは吹き替えなしでボクシング・シーンを演じた事。一番の見せ場ルシア・ライカー演じるビリーとのファイト・シーンは壮絶そのもの。ルシア・ライカーってプロボクサーなんですってね。マギーよりボクシングの演技が上手に見えたのはその所為だったのですか。それでも、ヒラリー・スワンクは彼女に劣らぬ演技でした。オスカー受賞も納得。しかし、ボクシングを観て興奮する人の感覚が良くわからん。血がどば〜っと飛び散る迄はまだ見れるけど、鼻が折れたり流血したりすると恐ろしくて。この映画でもマギーの鼻が折れて、フランキーが治療するシーンが出て来るのですが、その治療の凄まじい事。観ているこっちの方が痛かった。
クリント・イーストウッド曰く〝これはシンプルなラブストーリー。父と娘のラブストーリーだ〟と。幼い頃に父を亡くしたマギーと、娘と疎遠になったフランキー。彼らの間に流れるのは信頼、絆、愛。見返りを期待する事なく愛情を注ぐ姿に自分が恥ずかしくなりました。いつもならこの手の感動押し付け映画に対しては、冷めた目で観てしまうのですがこの作品は違いました。心に入って来るんですよね。彼らの素晴らしい演技と演出、そしてクリント・イーストウッド自身が手がけた音楽が心にしみわたりました。
〝タフでなければ生きていかれない、優しくなければ生きていく資格がない〟とはフィリップ・マーロウの有名なセリフですが、そんな映画でした。
余談になりますが、モーガンイーストウッドちゃん(クリント・イーストウッドの末娘)が出演してますよ。彼が66歳の時の子供なんですよね。お祖父ちゃんじゃなくてパパですよ。元気なじいさんですね。

2005/06/25

http://www.cinecrew.co.jp/mdbaby/main/index2.html