バッドサンタ/BAD SANTA

Director:テリー・ツワイゴフ
Cast:ビリー・ボブ・ソーントン、トニー・コックス、ローレン・グレアム、バーニー・マック、ジョン・リッター、ブレット・ケリー、ローレン・トム、アジェイ・ナイデュ、クロリス・リーチマン
クリスマスシーズンになるとデパートでサンタクロースの格好をし、子供相手の仕事をしていたウィリー。彼に取ってその仕事は本業の下調べだった。実は相棒のマーカスと一緒にデパートの金庫破りで生計を立てている泥棒だった。


悪いサンタじゃなくて、人間として悪いって意味ですね。製作総指揮があのコーエン兄弟なのでブラックジョーク満載です。いつもの彼らの作品は結構笑えるのですが、この映画はそこまで笑えなかったです。たぶん主人公があまりにもダメ人間だからでしょうね。そんなダメ人間ウィリーを演じるのはビリー・ボブ・ソーントン。私は彼が苦手です。アクが強すぎるからか、粘着質な感じがする所為か。そんな彼にこの役はぴったりでした。クズ人間街道まっしぐらですよ。老人や子供を騙す事も厭わないのだから、ダメな大人の見本です。子供の夢と希望と憧れを泥棒の手段に利用するんだから、どうしようもないですよね。で、酒好き、女好き。実生活でも数多の女性と結婚を繰り返している彼だけに、演技じゃなくて地なんだろうなと思ったり。
そんなウィリーを本当のサンタと信じて疑わない無垢な少年を演じるのはブレット・ケリー君。
 
見るからにいじめられっ子キャラな彼。鼻水を垂らしての登場だったので、最初は嫌だなと思っていたのですが、彼のウィリーに対する一途な想いが語られるにつれて、鼻水なんてふっとんでしまって愛らしいと思っている自分がいました。人間やっぱり外見より中身ですよ。
ストーリーは良く出来ていると思います。特にラストが良かったですね。中途半端なお涙頂戴よりも、よっぽど潔くて良い感じ。この手の映画ってなにかしら説教めいたシーンがあるじゃないですか。でも、この映画にはないんですよ。教訓だか訓示だかを入れる事によって観客に何かしら考えさすのは悪い事じゃないと思います。けど、そのシーンを入れたいが為に流れ自体がぶち壊されていたり、白けたりさせられる事って多いじゃないですか。この映画では、教訓を入れようと思えばてんこ盛り沢山入れれるのですが、全く入ってない。それは観客に委ねられているんですよ。その辺りも押し付けがましくなくて良かったです。

2005/08/19

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