サイドウェイ/SIDEWAYS

Director:アレクサンダー・ペイン
Cast:ポール・ジアマッティトーマス・ヘイデン・チャーチヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー、メアリールイーズ・バーク、ジェシカ・ヘクト
小説家を夢見るワイン好きの冴えない中年男マイルスは、結婚する友人の為に独身最後の旅行を計画した。行き先はもちろんカリフォルニアのワイナリー巡り。そんなマイルスを尻目に友人のジャックは、独身最後のハメを外す事だけを考えていた。


2004年の映画賞を席巻しただけあります。人生の素晴らしさを考えさせられる映画でした。最後まで特に大きな盛り上がりはないですが、観終わった後に心にしみじみ暖かい思いがこみ上げて来ました。男の人ならもっと楽しめるんじゃないかと思います。私は女ですから、男の身勝手さ(得にジャック)が鼻に付く場面もありましたが。でも、作品自体は素晴らしいです。ストーリーも面白い。ロード・ムービーって単調なシーンばかりになったりしがちですが、この映画はそれもなくテンポ良く進んで行きます。
特に興味を引かれたのは、ワイナリー巡りのシーン。私も以前に同じ所を巡った事があるんですよ。とても懐かしかったです。この映画の中で出て来るオーパス・ワンが飲めるワイナリーには張り切って予約までして行きました。ワインの良さもわからずにいきがって飲んでましたね。〝芳醇な香り〟とか臆面もなく使ってました。意味もわかってないのに。〝ワイン=おされ〟のイメージが抜け切らないんですよね。今は、ワインより焼酎の方が好きですが。だからって、ワイン好きだけが楽しめる映画って事もないです。人生の素晴らしさを描いている映画であって、ワインはそれを語るオプションに過ぎないのですから。
とにかくポール・ジアマッティ演じるマイルスが最高。見た目からして冴えないオヤジで当にはまり役。離婚の痛手を引きずって恋をする事に臆病。言われなくってもそんなイメージなんですよね。およそ女性に対して積極的って感じには見えないし。そんな彼がジャックに唆され、お尻を叩かれながら女性にアプローチする姿に微笑ましさを感じてしまった私がいました。好みの顔じゃないのですが。人間、顔や容姿だけじゃないって事なんでしょうね。

2005/10/07

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